美しすぎるユリアン・アルプスの瞳『ブレッド湖』

ヨーロッパアルプスの麓には湖水が多く、いずれもきれいな湖が多いのですが、群を抜いて「美しい瞳」と称されるブレッド湖は、危険を近づけない山々に守られながら静かにひっそり佇む可憐な瞳のような神秘的な場所

ブレッドってどんなところ？

ヨーロッパの屋根といわれるアルプス山脈の東南端のユリアン・アルプス、オーストリアとイタリアの国境に近いところで、国は小さなスロベニア共和国。

国旗にもデザインされているスロベニア最高峰トリグラフ山（2864ｍ）をはじめとする連邦に囲まれた静かな場所に、2粒の瞳があり、一つがボヒニ湖、もう一つが今回ご紹介するブレッド湖です。

山に囲まれた景勝地で、標高は約500ｍ。

強大な統治国家を築き、約650年間も続いたハプスブルク家のリゾート地でした。

旧ユーゴスラヴィア連邦建国の父チトー大統領の別荘だった建物もあり、現在は格式あるホテル・ヴィッラ・ブレッドで、日本の天皇家、世界の著名人が宿泊されています。

夏は、ハイキング、サイクリング、ボート、釣り、乗馬、ロッククライミングなどのアウトドアを楽しむ人が多く訪れます。

冬は、30年前まで湖でアイススケートができたようですが、今はスキー、アルペンスキー、クロスカントリーで人気。

そして、手漕ぎボート競技レガッタの練習・競技場になっています。

美しい湖を守るかのように取り囲む山々は
トリグラウ国立公園。

トリグラウ山がスロベニア最高峰2864ｍで
イタリアとオーストリアの国境にあります。

スロベニアの国旗、国章、スロベニア発行の50セントユーロコインにデザインされている山です。

ブレッド島

スロベニアは、イタリア、オーストリア、クロアチア、ハンガリーと国境を接し、そしてわずか46㎞ほどアドリア海に面し、面積は日本の四国と同じくらいの小さな国。

ブレッド島は、そんなスロベニアにある唯一の島です。

唯一の交通手段

手漕ぎのプレトナ・ボートと電動船のみです。
1人の船頭が18人を乗せて、2本のオールで片道約15分かけて、ゆっくり進みます。
エンジン付きボートは禁止されているため、いつも静かで、湖面も手漕ぎボートが行き交うところ以外は鏡のよう。

18世紀、ハプスブルク家マリアテレジアの時代から続く伝統ボートは、当時運航独占権が与えられた23家族の世襲制で、現在もその家族の男性のみが船頭になれます。
カラマツで作られる自家製ボートは、寿命が22～30年。
２１層２１人の船頭がいると聞いたことがありますが、現在はどうでしょう。

みどころ

島一周は、歩いて5分ほどですが、
ボートが到着すると目の前には、聖マリア教会へ続く階段が99段！

このロマンチックな教会では、結婚式を挙げることもできます。
とても人気があって、年間100組限定だそうです。

さて、結婚するカップルは、挙式前にちょっと努力が必要そうです…

花嫁はダイエット、花婿は筋トレ！

何故かというと、
この99段の階段は、花婿が花嫁をお嫁さん抱っこして99段登らなくちゃいけないんです(笑)

スロべニア最古の教会ですが、
9世紀の部分は床に見られます。
内部は、フレスコ画の壁で、こじんまり可憐なバロック様式教会。

マリア像の祭壇前に、天井からロープが下がっていますので、
是非、マリア様に向かって願い事を唱えながら、ロープを引っ張ってくださいね。

鐘楼のベルが鳴ったら、その願い事がいつかきっと叶うみたいですよ。

コツは、上のほうを持って、大きく屈伸するように真下にグーッと！
結構空振りしてしまいますが、頑張って(笑)

ブレッドのシンボル的存在になっている、16世紀の鐘楼にも登れます。

あとは、小さなカフェとお土産屋さんがある小さな島ですが、
ツアーグループ観光客が多いと賑やかなので、朝夕の静かな時間に訪れたい場所です。

ブレッド城

湖から100m程の岩山に平安時代に建造されたスロベニア最古のお城。

展望テラスからは、ブレッド湖・ブレッド島、カラバンケアルプス、ユリアン・アルプスの眺望が広がります。

見どころ

城内は、中庭を中心に2回構造。

下の階は、

印刷所、ギャラリー、カフェ、蜂蜜ショップ、ワインセラーなどがあります。

活版印刷で名前を印刷したり、
ワインセラーでは、樽からボトル詰めしてラベル貼りをしたり、
記念に、オリジナル土産はいかがでしょう。

上の階は、

16世紀の礼拝堂、青銅器時代からの歴史・展示物博物館、現在4代目の鍛冶工房、レストランなど。

ロマネスク時代の城壁、回廊と防衛塔で守られていて、一部歩くことができます。

こちらのお城でも、結婚式ができます。

まとめ

ブレッド島もしくはブレッド城での結婚式、プロポーズの場に、ハネムーン旅行にいかがでしょうか。

大切な人とゆっくりのんびり過ごすのにも素敵なところです。

読書をしたり、散歩をしたり、写真を撮ったり…一人旅にも癒しの時間を過ごすのにおすすめです。